近年、子供たちの能力向上は著しい。小学5年生あたりで5.12をレッドポイントしたという例も特別な話ではなくなっている。中学生になると男子では5.13a~bあたりをレッドポイントした事例はロッククラフトでもある。当然、得意系であることが登れる背景でもあるし、子供であるからできるムーブである事も否定はできない。
しかし、ルートを読む力やムーブを多角的に変換する洞察力や思考力もかなり高いレベルに達している。
一方でボルダーの能力も飛躍的に高度化している。とくにジャンプアップしてハンドホールドを取りに行く能力は非常に高い。
しかし、握力で言えば、クラッシュ力やピンチ力の高さに比べて、ハングバランスやパーム力は劣る傾向にあるように思う。
オンサイト能力の評価よりフラッシュやレッドポイント能力を高める練習のほうに特化されているのか、図らずも、そうなってしまっているのか・・は解らない・
また、ヒールフックの多様化も目立つ、しかし、得意方向があって不得意方向にはまったく機能していない場合も多く見受けられる。
技術的にはボルダーの能力は著しく高い。しかし、レッドポイントを規準とした練習であり、スタミナを必要とせず、回復力でねじ込む感じにも見受けたれる。
JOCの予選ルートをある程度想定した練習を今週から行っている。毎年の事だが、2週間ほどはそんな練習も取り入れている。
今回のJOC予選ルートは男子が5.12c~d 女子は5.11d~5.12aを想定している。いつもの事だが子供たちの技術には特定のほう方向性があるので、順位付けには、全体が不得意なホールド配列をしてしまうと団子状態になってしまう。
ある程度当たる場合があるので、この2週間は子供たちができないムーブ動作の練習はしない。
言い換えれば、勝つための戦術練習である。自分としては好きではないのだが、勝つことも大会では重要な要素であるからやむおええない。
このような練習を、どのように選手に意識させるのかが、むしろ教える側の技術を駆使する部分でもある。
いろんな話をしながら、選手が理解しそうなセンテンスを見付け、その言葉をキイワードにして理解力を高める・・というか。選手に、理解した、と錯覚させるのである。
ま、不安の駆除とでも言える心理的効果であるが、選手が自信をもてればそれで良いのである。
いま選手自身が持っている最大限の力を発揮すれば、驚きではなく、普通に到達する可能性を引き出す知恵を授けるといったほうが良いかもしれない。
JOCには男女合わせて250人の選手が参加する。カテゴリーをJR.ユースA、ユースBに限定してもこの遼の選手が参加するのである。大会運営をつかさどる側は相当な労力と犠牲をはらうのである。
選手たちには参加させてもらった・・と言う感謝の気持ちを忘れずに伝えたいものである。
また、自分の弱点を正確につかむ事も選手にもコーチにとっても重要な課題である。単に結果を残したという満足感よりも、課題を見付けられた喜びに重点を置くことも大切な事である。
そんなこんなデ、JOCジュニアオリンピックまで、あと2週間、しっかりと怪我無く練習を積み重ねてほしいと思う。

